診療内容MEDICAL TREATMENT

診療内容

当院の診療方針

可能な限り切開や器具の挿入を伴わない、非侵襲的な検査で診断し、エビデンスに基づいた治療を行います。
当院は泌尿器科では珍しい在宅支援診療所です。
可能な限り対応致しますので何なりとご相談ください。

当院の特徴的な診療内容

腎臓・尿管・膀胱・前立腺疾患

  • 前立腺肥大症

    前立腺は精液を産生する臓器で、40歳代半ばより大きくなるとされています。大きくなるのは尿道を取り巻く部分で、大きくなる原因としては男性ホルモン、炎症、神経の刺激などが原因と言われています。大きくなった前立腺は時に尿道を強く閉塞し、尿が出にくくなるなどの排尿障害をきたします。治療は内服治療と手術治療に大きく分かれます。内服治療としては尿道を開くαブロッカーと呼ばれる薬が中心で、前立腺を縮小させる新しい薬もでてきております。十分の効果がえられないときは手術治療が検討されます。治療としては、まず薬物療法が行われ、十分な効果が出ない場合は手術療法が検討されます。

  • 前立腺がん

    前立腺がんは、最近、肺がん、大腸がんとともに増加傾向です。原因としてははっきりしておりませんが、食生活の欧米化(乳製品、肉類等)高齢化、等の原因があげられます。ある程度進行するまで症状のない怖い病気です。つまり検診を行うことが唯一早期発見につながります。まず行う検査は採血で腫瘍マーカーであるPSA(前立腺特異抗原という前立腺から出ているタンパク質)を測定します。これに合わせて超音波検査、直腸指診、MRI画像などを行い、前立腺癌の可能性が高い方には生検(針で前立腺の組織を数か所採取します)を行います。この結果前立腺癌と診断された方は他の臓器に異常がないか検索したのち、病状、年齢等より薬物治療、放射線治療、手術治療が選択されます。

  • 前立腺炎(急性、慢性)

    急性前立腺炎と慢性前立腺炎がありますが、これらは症状や経過が大きく異なります。

    急性(細菌性)前立腺炎

    前立腺炎は尿中の細菌による感染で起こり、高熱(発熱)や排尿困難、排尿痛や残尿感、頻尿症状を伴います。前立腺の腫れのために尿道が圧迫され、排尿障害や時には尿閉(尿が出なくなる)になることもあります。治療としては抗菌薬の点滴や内服薬で治療します。炎症が強い場合は入院加療が必要となることもあります。

    慢性前立腺炎

    症状は陰部の不快感、排尿時・排尿後の痛み、射精時・射精後の痛み、精液に血が混じるなど、いろいろな症状を呈し(不定愁訴)、その程度も様々です。
    年齢は20~40歳代の若い世代に多く見られます。 原因のはっきりしない場合もあり、骨盤内の循環不全等が影響しているケースもみられます。時には痔核との合併もあります。治療法は抗菌剤や漢方薬の投与、生活指導他いろいろです。難治性、反復性のこともあり、症状が改善するまでに数ヶ月~何年も要することも少なくありません。

  • 腎臓がん

    腎臓は左右一つずつあり、血液中の老廃物をろ過し、体液のバランスを整える重要な臓器です。この腎臓に出来た癌は初期には無症状で、進行すると血尿や背部痛が出現してきます。腎臓癌は抗癌剤や放射線治療が効果がないため、早期発見し手術(腹腔鏡手術や開腹手術)で摘出するのが最良の治療法です。早期発見には超音波検査などの画像診断しかなく、検診が重要です。進行した状態で発見された方には分子標的薬および免疫チエックポイント阻害剤と呼ばれる薬物治療が近年は開発され、進行を遅らせる事も可能となってきました。

  • 膀胱がん

    膀胱癌は症状の出にくい癌ですが、唯一症状として認められるのが血尿です。しかも痛みのない血尿(無症候性血尿)の事が多く、患者様の中には痛みがないから心配ないと考えられて診察を受けられない方も多くおられます。診断には膀胱鏡で膀胱内を観察するのが最も有用です。膀胱内の表面のみの腫瘍(表在性腫瘍)の場合、おおむね経尿道的手術(内視鏡手術)で治療可能ですが、膀胱の筋層深く入り込んでいく腫瘍(浸潤性腫瘍)では膀胱全摘術、化学療法等が必要になる場合があります。

  • 性感染症(STD)

    性行為を介して人から人へと感染を起こす様々な病気の総称です。 以前は性風俗店などでの不衛生な性行為による感染が多かったのですが、最近は、不特定のセックスパートナーとの性交渉やセックスの多様化などにより、ごく一般に広まっています。病状は多様化し、喉が痛い(咽頭炎)などの症状で性感染症が発見されるケースもあります。代表的な性感染症は、淋病、クラミジア感染症、梅毒、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、毛ジラミ症などです。心当たりのある方や、パートナーが性感染症にかかっている方は早めに専門医の検査、および適切な治療を受けることが、大切です。

  • 急性腎盂腎炎

    多く大腸菌などの細菌感染によって発症し、側腹部の痛みと38度以上の発熱、、頻尿、残尿感等の膀胱炎症状を伴います。治療は主に抗菌薬で行いますが、症状が良くなっても細菌が残っていることがありますので、再発防止のためにも完治するまでしっかりと治療することが大切です。炎症が強い場合は入院加療が必要となることもあります。

  • 尿路結石症(腎結石、尿管結石など)

    尿路結石症は、腎臓から尿道までの尿路に結石が生じる病気で、壮年期(30~40歳くらい)の方に多くみられ、若干男性の方が多いです。腎結石(腎臓結石)は、腎臓内に結石がとどまっている間は特に痛みは生じませんが、結石が尿管に移動して、尿管や膀胱などに詰まると、背中にかけての激しい痛みに、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。尿路結石症の治療では、まず痛みを抑え、結石が小さいうちは自然排石を待ちますが、大きな結石や自然排石が困難と判断された場合は、体外衝撃波結石破砕手術やレーザー砕石器などを用いた内視鏡手術で治療します。 症状が激しいことが、多いですが、無症状の方もおられます。
    以下の点を日常生活の参考にして下さい。

    ①十分な水分摂取

    結石予防における適正な一日水分量は食事以外に2000ml以上が目安と言われています。補給する水分としては水道水やシュウ酸含有量の少ない麦茶、ほうじ茶が最も適していると言われています。アルコール、コーヒー、紅茶、清涼飲料水、甘味飲料水の過剰摂取は尿中に結石形成の促進物質(カルシウム、シュウ酸、尿酸など)を過剰に排泄させるため好ましくありません。

    ②食事

    シュウ酸の過剰摂取を控えて下さい。ほうれん草、タケノコ、チョコレート、紅茶などにはシュウ酸が豊富に含まれていますが、カルシウムと同時に摂取するとシュウ酸の吸収が抑えられるため、ミルクチョコレートやミルクティーにするなどの工夫も必要です。

    ③食生活

    日本のおける結石患者の食生活の多くは一日必要栄養素の半分近くを夕食で摂取する夕食中心型であり、特に夕食における動物性タンパク質摂取量が多いと言われています。夕食中心の食生活は、特に就寝後の尿中への結石形成促進物質の過剰排泄につながりますので改善が必要です。夕食から就寝までの間隔は4時間程度が適当と言われてますので気をつけて下さい。
    他詳細は当院にてご相談下さい。

  • 男性更年期障害(LOH症候群)

    最近、「疲れやすい、やる気が出ない」「勃起力が低下した」「性欲がない」等の症状が現れたら、男性更年期障害を疑ってください。これらは、加齢や疲れからくる症状ではなく、男性ホルモン(テストステロン)が徐々に低下することによっておこる30歳代後半~50歳代の働き盛りの男性にもみられる病気です。適切な診断とホルモン補充療法などのテストステロンを増加する治療をおこないます。ご自身の身体の不調にお気づきの方は、一度ご相談ください。

小児泌尿器科等

亀頭包皮炎(おちちんが腫れる)、夜尿症(おねしょ)、陰嚢に睾丸がない、学校健診での尿潜血指摘されるといった症状のお子様が対象です。お子さまの症状で気になることがあればお気軽にご相談ください。

  • 亀頭包皮炎

    男の子の包茎はほっといてもいいのですか?小さい男の子のおちんちんは基本的にみんな皮がかぶって亀頭(おちんちんの先端の部分)が覆われた状態です。通常は成長とともに亀頭が露出されてきますが、中には全く先端も見えてこないお子さんもいます。基本的に包茎は病気ではありませんので、慌てて手術等治療する必要はありませんが、包皮炎と言われる感染症を繰り返したり、おしっこをする際に先端が風船の様に膨らんだりするお子さんは早めの治療が望ましい場合があります。自分のお子さんが大丈夫か心配の際には当院に気軽にご相談下さい。

  • 夜尿症(おねしょ)

    夜尿症とは5歳を過ぎて週に2回以上の頻度で、少なくとも3か月以上の期間において夜間睡眠中の尿失禁を認めるものとされます。自然に改善していくことも多いですが、お子様ののストレスをかかえることでかえって改善を遅らせることにもなりかねません。
    大人目線で叱ったり注意するのではなく、子どもの気持ちに寄り添いながら観察し、治療を進めていくことが大切になります。治療は、飲水の量をコントロールをしたり薬物による治療を併せていきます。

  • 停留精巣(睾丸)

    男の子なんですが、睾丸が触れません。男の子の睾丸はお母さんのお腹の中にいる間に腎臓の近くからどんどん下に降りてきて、生まれる頃にはほぼ陰嚢の中に納まっています。しかしながら中には途中で下降が止まってしまい、お腹の中や鼠径部(足の付け根のあたり)で止まってしまうお子さんがいます。これが停留精巣と呼ばれる状態です。停留精巣は将来睾丸の癌になりやすくなったり、不妊の原因になったりしますので、早めに睾丸を陰嚢内に降ろして固定する手術が必要になります。しかし普段は触れないけど、お風呂などでリラックスしたら触れるお子さんもいます。これは遊走精巣と呼ばれる状態で必ずしも治療は必要ありません。自分のお子さんで思いあたる方は一度当院に気軽にご相談下さい。

  • 尿潜血

    学校健診などの尿検査で、「おしっこに血が混じっています」とか「尿潜血反応陽性です」などと言われることがあります。こうしたいわゆる「血尿」は、尿をつくる腎臓や尿の通り道の病気のサインとして重要です。多くの場合、経過観察となる場合が多いですが、血尿により病気が見つかることも少なくありません。
    健診などで指摘された場合は、たとえ症状が無くても放置せず、早めに泌尿器科を受診しましょう。

女性泌尿器科

  • 膀胱炎膀胱炎

    多くは大腸菌などの細菌による感染で発症し、発熱はありません。症状としては頻尿、排尿時痛、残尿感が多くみられます。血尿が出たりすることもあります。治療としてはしっかり水分を摂取していただき、尿を我慢しないように指導させていただきます。お薬として抗菌剤を服用していただきます。

  • 過活動性膀胱

    過活動性膀胱とは突然トイレにいきたくなる、夜間を問わずトイレにいきたくなる、トイレまで我慢できずに漏らしてしまう、といった症状の病気です。40歳以上の8人に1人が過活動膀胱であることがわかっています。「トイレが心配で旅行に行けない」「漏らしてしまうので外出できない」などと考えてしまいがちであるため、生活の質を損ねてしまうことがあり、自宅にひきこもりがちになってしまうといった恐れもあります。治療としては最近、効果のある薬がいくつもあります。

  • 腹圧性尿失禁

    尿失禁には一般的にお腹に力が入った時に漏れる腹圧性尿失禁とトイレに行きたくなった時トイレまで間に合わずに漏れてしまう切迫性尿失禁があります。腹圧性尿失禁は腹圧がかかりすぎる事で骨盤の筋肉が膀胱や子宮を支えきれなくなる事が原因ですので、骨盤の筋肉を鍛える事やダイエットがまず重要ですが、症状が強い方には尿道をテープで支持する手術法もあります。切迫性尿失禁に対しては薬物治療が有効で、数種類の薬品が治療に使われております。

  • 骨盤臓器脱

    これは膀胱・子宮・直腸といった骨盤臓器が膣の入口から飛び出てきてしまう状態をさします。骨盤では筋肉(肛門挙筋)や筋膜などで膀胱・子宮・直腸を支えていますが、おもに妊娠・出産で肛門挙筋・筋膜・神経などが損傷を受けると、骨盤臓器の支持機構が破綻して膣の入口から骨盤臓器が落ちやすくなります。肥満、慢性的な便秘や咳なども助長因子といわれています。膀胱が落ちれば膀胱瘤、子宮が落ちれば子宮脱、直腸が落ちれば直腸瘤と呼び、1つの臓器だけが落ちてくることもあれば、複数の臓器が落ちてくることもあります。
    症状も様々で、陰部下垂感・陰部にピンポン玉のようなものが触れる・椅子に座るとボールの上に座っている感じがするといった典型的な症状や、トイレが近い・尿が出しづらい・排尿してもすっきりしない・尿が漏れてしまう・便秘などといった膀胱や直腸に関連した症状が出ることもあります。ひどくなると飛び出てきた臓器を手で戻さないと、排尿や排便がしづらくなることもあります。このような場合は一度御相談ください。

自由診療

  • ED(勃起不全)ED(勃起障害)

    年齢とともに増加する、自然な現象の一つです。 勃起障害とは、満足な性交渉をするために十分な勃起を発現あるいは維持できない状態のことをいいます。勃起できない、勃起に時間がかかる、途中で萎えてしまう、思うように性行為ができない等の症状です。成人男性の4人に1人がEDです。また近年は若年者にも、ストレスや精神的な原因からEDに陥るケースも少なくありません。何か、お困りのことがございましたら、縁了なく御相談ください。ED治療薬現在、ED治療には良い薬(勃起を促す補助薬)がいろいろ開発されています。
    ご要望も考慮しながら、個々の患者様に最も適した薬を処方いたします。

  • ブライダルチエック

    結婚前に感染症などを調べておきたいというご要望にお応えできるようにブライダルチェックを行っています。

往診・在宅診療

通院ができない患者様のために往診を行っています当院は、住み慣れたご自宅での療養をお手伝いするために、“往診”に応じておりますので、ご相談ください。
ご容態や諸事情により通院が困難な患者様について、患者様ご自身やご家族等の要請に基づいて患者様の居宅(ご自宅、老人ホームなど)に出向き、診療を行います。在宅での排尿管理(尿道カテーテルの交換)など気軽にご相談ください。
往診の治療費往診には、各種健康保険が適用されます。
介護保険とは違って医療保険者への申請は不要で、いつからでも開始、ご利用になれます。往診にかかる費用は「診療報酬」で決められていますが、健康保険の種類などにより、自己負担額はそれぞれ異なってきます。

*往診や治療費の詳細については、直接お問い合わせください。

往診・在宅診療